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コラム

「IFAの意義とこれからの役割」

こんにちは。おくだっちこと奥田知典です。このたび、8KEYS.jpにてマネーコラムを担当することになりました。どうぞよろしくお願いします。

 

さて、記念すべき第1回は「IFAの意義とこれからの役割」について、お話をしたいと思います。皆さんはこの「IFA」という用語を聞いたことがありますか?おそらく、殆どの方が「何それ?」「聞いたことない」という反応になると思います。それもそのはず、これまで「IFA」という用語は、ほぼ証券業界でのみ使われていました。そのため証券業界と関わりのない人にとっては、まず聞くことのない言葉です。しかし、この「IFA」こそが、これからの日本の金融業界を支えていく役割になります。

 

「IFA」とは、「Independent Financial Adviser」の略称で、直訳すれば「独立したフィナンシャル(金融)のアドバイザー」ということになります。特定の金融機関に所属せず、中立的な立場からお客様のニーズに的確に対応することができる存在、それが「IFA」です。

 

これまでは銀行、保険、証券がそれぞれの立場から、自分たちの出来る範囲で相談を受け、解決策をアドバイスしてきました。当然、銀行員が証券や保険の話をするのは苦手でしょうし、保険プランナーや証券マンも同様に、他業種のことをアドバイスするのは難しいと思われます。

 

例えば、「60歳までに1000万円貯めたい」というニーズのあるお客様がおられたとします。銀行員であれば、積立定期預金をお勧めするでしょうし、保険プランナーであれば個人年金保険や養老保険等を、証券マンなら投資信託をお勧めするでしょう。

しかし、本当にお客様のニーズを的確に把握し、対応するのであれば、それらの選択肢をすべて織り込んだうえで最適な解決策をアドバイスし、さらに実行支援することが必要なのではないでしょうか?

 

とはいえ現在の日本の金融システムでは、銀行、保険、証券には見えない壁が存在します。それぞれの業界に所属する人は、自社で扱えない他業種(保険や証券)のことを話してはいけない、という明確なルールが存在します。また転勤などもあって、長期的な視野でお客様にアドバイスできにくい環境があるのが実態です。

 

それらの問題を解決し、顧客本位のアドバイザーとして役割を果たすのが、「IFA」です。

 

 

さる2019年7月26日、東京・銀座にて【IFAフォーラム2019】が開催され、私も参加をしてきました。その基調講演を担当されたのが、金融庁総合政策局・リスク分析総括課長の石村幸三氏です。金融庁といえば、日本の銀行、保険、証券会社を管理監督する、いわば日本の金融行政のトップです。その課長さんの講演テーマが「顧客本位のアドバイザーの育成に向けて」というものでした。

 

顧客本位の業務運営についての取り組み状況や、顧客意識調査の結果など、興味深い内容が目白押しでしたが、中でも非常に興味深かったのが、実際に銀行や証券会社で運用商品を購入したお客様に対して行った満足度調査(NPS®)の結果です。これは、「自分を担当してくれた担当者を、友人や知人にどの程度勧めるか」という質問をし、勧めたい人の割合から勧めたくない人の割合を引き算するものなのですが、銀行、保険、証券業界については全て大幅なマイナスとなったそうです。

 

※テーマパークの平均NPS®が19であるのに対し、銀行、保険、証券は▲41~▲46

 

その低評価の主な理由が、「説明不足」「売り手目線の営業」「売りっぱなし」というものです。いかに銀行、保険、証券業界が、顧客本位のアドバイスとは真逆のことをしているかが、よくわかる結果です。(…でも、それでも売れてしまうのですから、逆に凄いですね。それだけネームバリューがあるということでしょうか…)

 

講演の最後に石村氏は、「これらの問題を解決するのは、長期的な視野で顧客本位のアドバイザーとして活躍できるIFAである」と述べ、講演を締めくくられました。

まさに、IFAに対する期待の表れだと思います。

 

これまで一部の業界のみの用語であった「IFA」ですが、これからは日本人の資産形成を支える重要な役割となります。銀行、保険、証券の垣根を越えて、顧客本位のアドバイザーとして「IFA」が活躍する世の中になる、私はそう確信しています。

 

「IFA」という存在を、ぜひ皆さん覚えておいてくださいね。